横溝正史|犬神家の一族



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横溝正史は戦後、『金田一耕助シリーズ』を発表し人気を博したが、
映像化作品には、必ずしも恵まれたわけではなかった。


ぼさぼさ頭で袴姿のはずの金田一耕助が、なぜかスーツ姿で現れたり、
原作を無視した舞台設定で作られた作品も多く、人々の記憶に残らなかった。


そうこうする内に、松本清張を筆頭とする、
社会派推理小説の大ブームが巻き起こり、
本格推理作家である横溝正史の名前は、次第に忘れられていった。


そうした中、角川書店が本格的に映画界に進出するきっかけとなった、
1976年、『犬神家の一族』は、初めてといっていいぐらい原作に忠実な作りで、
当時興行収入20億円を超える大ヒットとなり、横溝正史ブームが始まった。


物語は信州財界の大物、犬神佐兵衛が他界するところから始まる。


残された子どもが遺産を巡って反発しあう中、長女松子の一人息子、
佐清(すけきよ)が戦地から復員してから、遺言が発表されることになっていた。


ある日、金田一耕助は、犬神家の顧問弁護士の事務所に勤める若林から、
調査依頼を受けるが、若林は何者かに毒殺される。


佐清が戦地から戻り、遺言が公表されるが、そこには驚きの内容が、
記されており、それをきっかけに、戦慄の連続殺人が起こるのであった――。


犬神家の家宝、”斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)” に見立てた、連続殺人、
佐清の真っ白なゴムマスクというビジュアルのインパクトなど、
見所満載の作品で、横溝正史作品の中でも映像化された回数が多いのも、
うなづける。


当初は欠点と言われていた、真犯人やトリック全体の関連性も、
最近では、時代を先取りしたものとの評価もある。


テレビ版も映像化される度に高視聴率を記録し、今日に至る、
金田一耕助ブームを生んだ作品として欠かせない一本だ。






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